海よりもまだ深く (幻冬舎文庫) 是枝 裕和 (著), 佐野 晶 (著) [本]
是枝裕和の「歩いても 歩いても」(2007年)が好きで
当時、原作の単行本もすぐ買って読んだ。
歩いても 歩いても (2007/日) [映画]
http://kazu88312.blog.so-net.ne.jp/2010-02-14
小説も是枝裕和が書いているのでまるでノベライズのようだったが
横山良多(阿部寛)の一人称なので、横山恭平(良多の父:原田芳雄)
がレコードの件で横山とし子(良多の母:樹木希林)にチクリとやられる
シーンなどが無いのが惜しかった。
ここ、顔を合わせてのシーンでは無く、湯船に浸かっている原田芳雄と
曇りガラスの向こうの脱衣所で下着やタオルを用意している樹木希林
との会話なのだが樹木希林の声の調子と「藪蛇だったか・・・」みたいな
原田芳雄の表情が絶品なのだ(笑)
また、映画では良多たちをバス停まで見送りに来た両親があの階段を上り、
坂道を歩いて行くシーンで、エピローグのようにその後が語られるので
「ああ、そうなのか・・・」と感慨深いのだが。
小説では早くからネタバレのように両親のその後が何度も挿話される
のが残念。
この2点で映画の方が気に入っている。
DVDも購入した。
書店の文庫コーナーに再び阿部寛・樹木希林が親子を演じる
「海よりもまだ深く」と「歩いても歩いても」が揃えて平積みになっていた。
「海よりもまだ深く」が5月21日から公開されるので併せて「歩いても 歩いても」
も文庫化されたのだ。(「海よりも」は文庫書き下ろし)
どれどれ、と手に取って読み始めるとこちらは是枝 裕和 (著), 佐野 晶 (著)
となっている。
調べてみると佐野 晶という人は翻訳や映画のノベライズを手がけてきた人
のようで、成る程、海外映画のノベライズっぽい文体だ。
「結婚できない男」(2006年)「歩いても 歩いても」(2008年)ファン
としては響子役に夏川結衣を、姉役はYOUにして欲しかったなー。
などど思いつつ「そして父になる」(2013年)を観た。
「どうせ福山雅治の人気にあやかった作品だろう」と今までスルー
していたのだが。
終盤、良多(福山雅治)がデジタル・カメラで撮影していた慶多(二宮慶多)の
写真を観ていると・・・のシーンでやられた!
観ていた私も思わず「グググ・・・」と声が出てしまった・・・。
さて表題の「海よりもまだ深く」だが、これまでの
「原作小説・ノベライズ << 映画」
というパターンを踏襲してくれる出来栄えを期待している。
当時、原作の単行本もすぐ買って読んだ。
歩いても 歩いても (2007/日) [映画]
http://kazu88312.blog.so-net.ne.jp/2010-02-14
小説も是枝裕和が書いているのでまるでノベライズのようだったが
横山良多(阿部寛)の一人称なので、横山恭平(良多の父:原田芳雄)
がレコードの件で横山とし子(良多の母:樹木希林)にチクリとやられる
シーンなどが無いのが惜しかった。
ここ、顔を合わせてのシーンでは無く、湯船に浸かっている原田芳雄と
曇りガラスの向こうの脱衣所で下着やタオルを用意している樹木希林
との会話なのだが樹木希林の声の調子と「藪蛇だったか・・・」みたいな
原田芳雄の表情が絶品なのだ(笑)
また、映画では良多たちをバス停まで見送りに来た両親があの階段を上り、
坂道を歩いて行くシーンで、エピローグのようにその後が語られるので
「ああ、そうなのか・・・」と感慨深いのだが。
小説では早くからネタバレのように両親のその後が何度も挿話される
のが残念。
この2点で映画の方が気に入っている。
DVDも購入した。
書店の文庫コーナーに再び阿部寛・樹木希林が親子を演じる
「海よりもまだ深く」と「歩いても歩いても」が揃えて平積みになっていた。
「海よりもまだ深く」が5月21日から公開されるので併せて「歩いても 歩いても」
も文庫化されたのだ。(「海よりも」は文庫書き下ろし)
どれどれ、と手に取って読み始めるとこちらは是枝 裕和 (著), 佐野 晶 (著)
となっている。
調べてみると佐野 晶という人は翻訳や映画のノベライズを手がけてきた人
のようで、成る程、海外映画のノベライズっぽい文体だ。
「結婚できない男」(2006年)「歩いても 歩いても」(2008年)ファン
としては響子役に夏川結衣を、姉役はYOUにして欲しかったなー。
などど思いつつ「そして父になる」(2013年)を観た。
「どうせ福山雅治の人気にあやかった作品だろう」と今までスルー
していたのだが。
終盤、良多(福山雅治)がデジタル・カメラで撮影していた慶多(二宮慶多)の
写真を観ていると・・・のシーンでやられた!
観ていた私も思わず「グググ・・・」と声が出てしまった・・・。
さて表題の「海よりもまだ深く」だが、これまでの
「原作小説・ノベライズ << 映画」
というパターンを踏襲してくれる出来栄えを期待している。
松谷みよ子さん [本]
児童文学などの作家で、民話研究の第一人者としても知られた松谷みよ子(まつたに・みよこ、本名・美代子=みよこ)さんが2月28日、老衰で死去した。89歳だった。
(朝日新聞デジタル 2015年3月9日11時47分)
私の大好きな「ふたりのイーダ」についてブログに書いた事があります。
http://kazu88312.blog.so-net.ne.jp/2009-07-26-1
「茂吉のねこ」
秋田に茂吉という鉄砲撃ちの男がねこと住んでいた。
酒屋にツケを払いに行くと身に覚えの無い高い料金を請求される。
子どもが酒を買いに来て「料金は茂吉が払う」と言うらしい。
見てると子どもが酒樽を持って酒を買いに来た。
茂吉は怒ってキセルを投げつけ、後を追うとやって来たのは魔物の森。
魔物たちは茂吉のねこが酒を持って来なかった事と、
キセルが当って怪我をしたねこを見て腹を立て
「茂吉のねこは、明日朝、茂吉の飯の上をぴょんと飛べ」
「さすれば、茂吉はコロリと死ぬ」
だがねこは
「おら、やんだ」 「だっておら、茂吉好きだもの」
怒った魔物たちは
「さすれば、茂吉のねこも死ぬべし」
茂吉は鉄砲で魔物たちを追い払い、ねこに
「おまえのような小僧っ子が、化け物の仲間入りするんじゃあ無ぇ」
明くる朝、魔物の森へ行ってみると古くなった傘や下駄やちょうちん
が転がっていた。
魔物の正体はこれら古くなって捨てられ化けあがった物だった。
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光村図書 シーズン・インタビュー
『語り継いでいきたい言葉・心』 松谷みよ子
第2回 「作品が生まれるとき」
もとの話では、年とった猫が、茂吉を殺すようにそそのかされて
お膳の上を飛ぶ。
でも、茂吉は前の晩それを聞いていたから食べなかった。
その地方では、今でもねこが跨いだ飯は食わないといわれている…という筋です。
これを書いたころ、うちでねこを飼っていまして、よくなついていたんです。
だから、最後の、
「おらやんだ、おら、茂吉すきだもの」
という言葉。どうしてもこの言葉を書かずにいられなかったんです。
私は、この話がとっても好きですね。人形劇にもなってるんですよ。
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ご冥福をお祈りします。
さよならあんころもちまたきなこ
(朝日新聞デジタル 2015年3月9日11時47分)
私の大好きな「ふたりのイーダ」についてブログに書いた事があります。
http://kazu88312.blog.so-net.ne.jp/2009-07-26-1
「茂吉のねこ」
秋田に茂吉という鉄砲撃ちの男がねこと住んでいた。
酒屋にツケを払いに行くと身に覚えの無い高い料金を請求される。
子どもが酒を買いに来て「料金は茂吉が払う」と言うらしい。
見てると子どもが酒樽を持って酒を買いに来た。
茂吉は怒ってキセルを投げつけ、後を追うとやって来たのは魔物の森。
魔物たちは茂吉のねこが酒を持って来なかった事と、
キセルが当って怪我をしたねこを見て腹を立て
「茂吉のねこは、明日朝、茂吉の飯の上をぴょんと飛べ」
「さすれば、茂吉はコロリと死ぬ」
だがねこは
「おら、やんだ」 「だっておら、茂吉好きだもの」
怒った魔物たちは
「さすれば、茂吉のねこも死ぬべし」
茂吉は鉄砲で魔物たちを追い払い、ねこに
「おまえのような小僧っ子が、化け物の仲間入りするんじゃあ無ぇ」
明くる朝、魔物の森へ行ってみると古くなった傘や下駄やちょうちん
が転がっていた。
魔物の正体はこれら古くなって捨てられ化けあがった物だった。
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光村図書 シーズン・インタビュー
『語り継いでいきたい言葉・心』 松谷みよ子
第2回 「作品が生まれるとき」
もとの話では、年とった猫が、茂吉を殺すようにそそのかされて
お膳の上を飛ぶ。
でも、茂吉は前の晩それを聞いていたから食べなかった。
その地方では、今でもねこが跨いだ飯は食わないといわれている…という筋です。
これを書いたころ、うちでねこを飼っていまして、よくなついていたんです。
だから、最後の、
「おらやんだ、おら、茂吉すきだもの」
という言葉。どうしてもこの言葉を書かずにいられなかったんです。
私は、この話がとっても好きですね。人形劇にもなってるんですよ。
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ご冥福をお祈りします。
さよならあんころもちまたきなこ
「悪童日記」 アゴタ・クリストフ [本]
内容(「BOOK」データベースより)
戦争が激しさを増し、双子の「ぼくら」は、小さな町に住むおばあちゃんの
もとへ疎開した。その日から、ぼくらの過酷な日々が始まった。人間の醜
さや哀しさ、世の不条理―非情な現実を目にするたびに、ぼくらはそれを
克明に日記にしるす。戦争が暗い影を落とすなか、ぼくらはしたたかに生
き抜いていく。人間の真実をえぐる圧倒的筆力で読書界に感動の嵐を巻
き起こした、ハンガリー生まれの女性亡命作家の衝撃の処女作。
十数年前に早川書房のフェアで入手した。 署名カード付き。
世界的なベストセラーなので作品名はチラチラ目にしていたが
なかなか衝撃を受けた。
2013年、まさかの映画化。 2014年10月3日日本公開。
http://akudou-movie.com/
削除されているエピソードもあるが、割と原作に忠実らしい。