冬物語 その8 [冬物語]
(第十七話:愛の出奔)
信子は京都で良之に結婚を申し込んだことを告げる。 義母・房子は
「あなたと勝彦の結婚生活は3ヶ月でしたね。
でもその方との生活はもっと短くなるかもしれないのよ。
最初から不幸せになると分かっている結婚に賛成できると思って?」
と諭すが、信子の決意は固い。
退職の準備をする植村の元へ足立圭子(扇千景)が訪ねて来る。
純二(津川雅彦)の側に付いた事も、「余計な弁解はしないわ」。
「私、予感がするのよ。近い内、それもごく近い内、あなたと私のヨリが戻るって」
「(苦笑)何を根拠に」
「だって仕事にも恋にも敗れた男は何処にも行き処が無いでしょ?
昔の女の元へ戻るしか無いじゃありませんか」
呆れる植村。
「出て行きたまえ」
「あたしの予感って当たるのよ(笑)」
信子から結婚を申し込まれたことを植村に告げる良之。
「あんたならどうする?」
「難しいね。 それに私は冷静に答える資格が無い。 私も信子さんを
愛しているからだ。」
良之に対し誠実に答えようとする植村。
「宗方家の番頭風情に無残にも捨てられた事が私には堪らなかった。
ええ、何もありませんでしたわ。
でもその男は私の気持ちをはっきり知っていながらわざと踏みにじったんです。
信子さん、あの人も今は夢中になってのぼせているだけ。
だからあの人もきっと思い知るようになるわ。
女がひとつの愛をあきらめるのがどんなに辛いものかってことを」
「どうしてみんなあの人の死の事ばかり言うの? あの人は生きてるわ。
だから私は結婚するのよ」
自身に言い聞かせるように明るく話す信子に、浩も健一も愕然とする。
良之の行方を懸命に探していた順子は信子のアパートのそばの公園で2人を見てしまった。
左手の震えを打ち明ける良之。
(第十八話:夜明けまでの散歩)
良之と信子は、定食屋で発作的に自殺を計った老人(信欣三)を救う。
(定食屋で流れていた曲は「ひなげしの花」、息子役は当時30才の小野武彦)
良之は自分の死期を知ったある男の話をする(勿論、自分のこと)
「そりゃあねえ、自分で自分の命を断つのもいいよ。悪くは無いよ?
死の怖さから早く逃れられるからな。
それに第一、格好いいじゃない?何となく。
だけどもさ、それは最もキザなスタイリストなんだな。
それでそいつはある事を試してみたくなったんだよ・・・。
つまり、生き続けることの怖さだ。
なあ分かるだろ? 小学校の先生みたいな言い方してるけど、
死ぬことも勇気が要るけどやっぱり生きることも勇気が要るんだ。
これは聞き流してくれてもいいや。
ただな、俺はオヤジさんにもさ、ちょっぴりその、生き続ける方の勇気を
持って欲しかった。
それだけなんだ。」
夜明けの東京の街を歩く2人。
青山通りから聖徳記念絵画館への銀杏並木。
40年前の明治神宮野球場かな? 信子は2本、良之は4本、牛乳を飲んだ。
フイルム撮影のザラつき感がドキュメント映画みたい。
浩と健一のアパートを訪ねる2人。
「どうして姉さんあんなに明るくなったんだろうなぁ?」
「良之さん・・・、あなた、目が・・・?」
信子は京都で良之に結婚を申し込んだことを告げる。 義母・房子は
「あなたと勝彦の結婚生活は3ヶ月でしたね。
でもその方との生活はもっと短くなるかもしれないのよ。
最初から不幸せになると分かっている結婚に賛成できると思って?」
と諭すが、信子の決意は固い。
退職の準備をする植村の元へ足立圭子(扇千景)が訪ねて来る。
純二(津川雅彦)の側に付いた事も、「余計な弁解はしないわ」。
「私、予感がするのよ。近い内、それもごく近い内、あなたと私のヨリが戻るって」
「(苦笑)何を根拠に」
「だって仕事にも恋にも敗れた男は何処にも行き処が無いでしょ?
昔の女の元へ戻るしか無いじゃありませんか」
呆れる植村。
「出て行きたまえ」
「あたしの予感って当たるのよ(笑)」
信子から結婚を申し込まれたことを植村に告げる良之。
「あんたならどうする?」
「難しいね。 それに私は冷静に答える資格が無い。 私も信子さんを
愛しているからだ。」
良之に対し誠実に答えようとする植村。
「宗方家の番頭風情に無残にも捨てられた事が私には堪らなかった。
ええ、何もありませんでしたわ。
でもその男は私の気持ちをはっきり知っていながらわざと踏みにじったんです。
信子さん、あの人も今は夢中になってのぼせているだけ。
だからあの人もきっと思い知るようになるわ。
女がひとつの愛をあきらめるのがどんなに辛いものかってことを」
「どうしてみんなあの人の死の事ばかり言うの? あの人は生きてるわ。
だから私は結婚するのよ」
自身に言い聞かせるように明るく話す信子に、浩も健一も愕然とする。
良之の行方を懸命に探していた順子は信子のアパートのそばの公園で2人を見てしまった。
左手の震えを打ち明ける良之。
(第十八話:夜明けまでの散歩)
良之と信子は、定食屋で発作的に自殺を計った老人(信欣三)を救う。
(定食屋で流れていた曲は「ひなげしの花」、息子役は当時30才の小野武彦)
良之は自分の死期を知ったある男の話をする(勿論、自分のこと)
「そりゃあねえ、自分で自分の命を断つのもいいよ。悪くは無いよ?
死の怖さから早く逃れられるからな。
それに第一、格好いいじゃない?何となく。
だけどもさ、それは最もキザなスタイリストなんだな。
それでそいつはある事を試してみたくなったんだよ・・・。
つまり、生き続けることの怖さだ。
なあ分かるだろ? 小学校の先生みたいな言い方してるけど、
死ぬことも勇気が要るけどやっぱり生きることも勇気が要るんだ。
これは聞き流してくれてもいいや。
ただな、俺はオヤジさんにもさ、ちょっぴりその、生き続ける方の勇気を
持って欲しかった。
それだけなんだ。」
夜明けの東京の街を歩く2人。
青山通りから聖徳記念絵画館への銀杏並木。
40年前の明治神宮野球場かな? 信子は2本、良之は4本、牛乳を飲んだ。
フイルム撮影のザラつき感がドキュメント映画みたい。
浩と健一のアパートを訪ねる2人。
「どうして姉さんあんなに明るくなったんだろうなぁ?」
「良之さん・・・、あなた、目が・・・?」
出演者の皆さんがお若いです。
浅丘さんも、大原麗子さんもとても綺麗。
今の女優さん達とは格の違いを感じます。
by hana2012 (2012-10-17 12:56)
お忙しい中、いつも有難うございます!!
昨夜、見ていてビックリしたのですが絹子はかつて植村を愛していたのでしょうか?? 原作本も何度か読んだのですがそうとう昔読んだので覚えていませんでした。 (現在、本が行方不明中で早く探し出さないと!)
しかし…かつて愛していた男性にあの態度はないですよね~
見向きもされないのは当然かと、、、(^^ゞ
疑問に思った点が2つあったのですが何故良之は植村を何回も訪ねるのでしょうか?? 和解のため? 自分の死を予感して自分が居なくなった後、親代わりだった植村に信子を宜しく頼むという意味合いなのでしょうか?
それと足立圭子は良之を知っていたのでしょうか?
植村の所で良之と鉢合わせになった時に見せた表情が何だか意味ありげでしたが、、、良之の亡くなったお父さんの事で彼を知っていたのか、、、
それとも良之が単にイケメンだから???(^^ゞ
ちょっと疑問に感じたので、、、
この辺り、昔の記憶が無くて昨夜見ながら考えていました。
大人になって見てるのに分からない、、、(苦笑)
古いドラマだけど現代に無い新鮮さがありますね!
記憶が途切れていた部分は本当に初見と一緒で夢中になって見ています。 鮮烈に覚えているシーンは当時の私にタイムスリップして見ています。 懐かしさと新鮮さが交差しています。
最近、良之の症状が悪化するのに連れてドラマも終わってしまうという何とも言えない寂しさが襲ってきます。
7月に放送が始まった当初は先が長くルンルンしていましたが今は淋しい気持ちでいっぱいです。
人生もこんな感じなのかしら…なんて(・_・;
by kimi (2012-10-17 14:31)
>kimi さん
いつもコメントありがとうございます。
物語が進むのに合わせて「冬物語 その1」のあらすじも更新していたの
ですが、原作と異なる部分が増えて来ているので止まったままです。
・良之はテストドライバー馘首を告げられた後、植村とは会っていない。
(言い争った後、敗北感を感じたまま気仙沼へ)
・足立圭子・・・植村の家に純二の側に付いた事を謝罪に来る。
(ビジネス上の理由だけではなく、信子への嫉妬もあって
純二の側に付いたが、植村の人間的な良さに改めて気付く)
・圭子は去り際に訪ねてきた絹子とすれ違う。
(絹子は植村を心配して訪ねて来たが、長年の想いを植村に告げることはない。
植村もずっと絹子の気持ちを知っていたがやはり口にはしない)
足立圭子は後悔を、絹子は寂しさを感じる。
という感じで、原作では植村はより好意的に描かれていますね。
(もともと、原作では北海道で信子に迫った時も未遂ですし。)
絹子は植村への想いを姉の房子にも話したことは無い、と言ってましたが
前話で「この人もいろいろと」と純二に言いかけてましたから
房子は薄々、気付いていたのだと思います。
by k_iga (2012-10-17 20:26)
ドラマで良之が植村を何度も訪ねますが、
以前、植村が良之の父の工場への融資を断ったため、良之の父は
自殺し、良之もレーサー引退を余儀なくされたため憎んでいた。
植村から「君は甘い人間のようだな。ビジネス上のことだ」と言われ、
その後「俺の親父も仕事では同じような事をしていたかもな」と話しています。
登場人物の中で「人生の先輩・父親」的なポジションは植村だけですね。
かつては「父の仇」と思い込んで憎んでいましたが植村と接するうちに
何か信頼出来るものを感じたのでしょうか。
by k_iga (2012-10-17 21:10)
詳細を有難うございます!!!
「冬物語 その1」のあらすじが更新されているのを知らずに最新ばかり見ていました。
今、改めて全部読みましたが凄いです!!!
原作と照らし合わせて解説して下さって、本当に素晴らしいですね
その1に最初に絹子が植村に思いを寄せていた事が書かれていましたね。見落としてました、、、
主題歌が9話から2番の歌詞になった事や15話のロゴが珍しく左寄りになっている事まで、、、完璧ですヽ(´▽`)/
冬物語の進行と一緒にこちらのブログを拝見させて頂き、再び余韻に浸っています。 画像と解説を残して下さって本当に感謝!感謝!です。
by kimi (2012-10-18 00:00)
「その1」にちょっと画像を追加しました。
今日は放映がありますね。急いで帰宅しなくちゃ。
by k_iga (2012-10-18 07:53)
皆さん、若いですね。
by たいちさん (2012-10-18 18:58)
お忙しい中、有難うございます!!!
「その1」も見ました有難うございます!!
完璧ですね^^v
昨夜は映像が本当にドキュメント映像に見えましたね。
ざらついた映像が却って相乗効果を出して銀杏並木を二人で黙々とひたすら歩き続けるシーンは洋画を見ている様な錯覚に陥りました。
セリフが無くても何故かとても素敵で絵になる二人、、、
球場で牛乳を飲むシーンも良かった!(寒いのに牛乳を…(^^ゞ)
信子は2本、良之は4本にも笑がこぼれます
宗方家では若奥様だった信子が帰る家もなく良之と一緒に大衆酒場や外で牛乳を瓶のまま飲む姿は貧しくても幸福感がよく出ていましたね
しっかり者の信子がとても可愛く見えました
浩のアパートのシーンも可笑しかったですね(^Д^)
良之と信子の為に外で浩と健一と典子が震えながら話しているシーンも微笑ましくて温かくていいな~(寒そうですが…)
当時は辛く悲しい…という記憶しか残っていませんでしたが今、見るとけっこう笑えるシーン満載で、これが又新鮮で填ります!
そう言えば、自殺未遂したおじさん…何処かで見た事があると思ったら「五番目の刑事」に出ていらした方ですね(笑)
小野武彦さんも若くて最初は誰か分かりませんでした。
ストーリー以外でも色々新発見して楽しんでいます(^^♪
この自殺未遂のおじさんを助けるシーンも奥が深いですね!
死を目前にしている若い良之が自殺未遂した老人の男性に生きる様に諭す…言葉や態度は乱暴でも、それ故に良之の優しさを強く感じました。
来週は4日間連続です! 楽しみだけどとても淋しい複雑な気持ち…
エンドレスで見ていたいです…
by kimi (2012-10-19 13:38)
私も昨日の夜明けの街を歩くシーンがとても良かったと思います。
その後の浩と健一の部屋のシーンも(笑)。
健一が読んでいたのは「スクリーン」誌かな?
部屋のドアにカトリーヌ・ドヌーブのピンナップが貼ってありましたね。
(押入れに貼ってあるポスターを健一が隠そうとするところも笑いました)
7月に始まった放送も残りわずかですね。
by k_iga (2012-10-20 00:14)