3人家族 その4 [3人家族]
第13話
会社が派遣する海外留学の一次試験に合格した雄一は、1月末の二次試験の
準備に余暇の全てを充てていた。
敬子の入り込む余地は無かった。
取り残されたような気持ちで、しかし敬子は雄一を忘れる事ができなかった。
明子(沢田雅美)は雄一は「野心家だから女の人を大事にしないのよ」と助言するが。
そういえば私も幼い頃はサツマイモをおやつに食べましたっけ。
13年前に出奔した謙一がキクの前に・・・。 東電のマークが古い(笑)。
敬子は、編み機?を使いながらキクの帰りを待つ。
稲葉家を訪れた健は、見知らぬ男に小包を渡すように頼まれる。
第14話
「妙蓮寺」駅で明子と待ち合わせた健は偶然、洋子とも会う。
機嫌を悪くする明子。
沢野(中谷一郎)は海外で写真が認められ上機嫌。
健の「敬子に会ったら?」という助言に
「独身が条件の留学を前にして恋人作る馬鹿がどこにいる」と言い放つが。
それでも敬子に電話して会う雄一(笑)。
雄一は自分で自分のする事が分からなかった。
一体、自分にとって敬子とは何なのだろう?
恋人?・・・違う。 もちろん違う。
今の自分にはそんな暇は無いのだ。
しかし、自分のしていることはまるで恋人のする事ではないか?と雄一は思った。
この甘い気持、甘い気分は抑えようもない、と雄一は思った。
(ナレーション:矢島正明)
13年前、37だった謙一(森幹太)は自分の人生がはっきり分かって
しまったような気持ちだった。
家族と勤め先と、それだけの世界で年を取って行く事に耐えられな
くなったのだ。
第15話
明子(沢田雅美)が健(あおい輝彦)と会っている事を案じたキクが柴田家を訪れる。
キクに「お金を払わないお手伝いさんなんて」などと言われた父・耕作は大激怒。
(こんな温和なお父さんを怒らせるとは・・・最悪の顔合わせ(苦笑))
敬子「それに・・・明日、試験だしね」
明子「試験? 明日?」
敬子「うん」
明子「あのね、お姉さん」
敬子「なあに?」
明子「お姉さんあたしのこと心配してくれたんじゃないの?」
敬子「え?」
明子「やだわ自分で言って気づかないの?」
敬子「?」
明子「お姉さん気にしてるのはさ、彼の兄貴の気持ちじゃないの?」
敬子「・・・あたし、何て言った?」
明子「呆れた。知るもんですか」
敬子「とにかく印象が悪くなったのは確かよね」
明子「そっか・・・。お姉さんやっぱ彼の兄貴、好きだったのか・・・。」
敬子「そんな事あたし言った?」
明子「ええ言いましたとも」
敬子「ふ~ん、そんな事言っちゃったか・・・」
明子「好きなんでしょ?」
敬子「まあね」
微笑み合う2人。
明子「あ~、やになるわねお互いに」
敬子「うん(ため息)」
明子「お酒でも飲もうか?」
敬子「うん(ため息)」
雄一「はぁ・・・(ため息)」
健 「どうしたらいいんだろ?兄さん。
こうなって考えてると、なかなか良い子だったよ、あの子」
僕が付いてないと、あの子、大学入れないよきっと」
雄一「ん・・・」
健 「どうしたの?兄さん」
雄一「うん?」
健 「兄さん! 何ボンヤリしてるのさ?」
雄一「(ため息)メチャメチャなのさ・・・」
健 「兄さんが?」
雄一「ああ」
健 「僕の問題で兄さんそんなショック受けたの?」
雄一「?お前の?」
健 「だって今日の事は僕の・・・あ、そうか!」
雄一「何だ?」
健 「兄さんやっぱりあの人好きなんだね?」
雄一「あの人?」
健 「彼女の姉さん」
雄一「馬鹿言え!」
健 「じゃあどうしてメチャメチャなのさ?」
雄一「うるさいよお前は!」
健 「そんなら出てってよ、僕の部屋にいることないじゃない」
雄一「冷たいこと言うなよ」
健 「へへっ、兄さんもそう言うかね(笑)」
雄一「とにかく明日の試験なんてどうなるか分からないよ。
やんなるよ、まったく」
健 「滅多に、お父さん、あんなに怒らないもんね」
雄一「うん・・・飲むか、酒でも」
健 「そうだね・・・」
健・雄一「(ため息)」
ともあれ、留学試験は容赦無く行われるのである。
その大事を前にして、好きな人の母親と自分の父親がケンカをしたという事が
何だというのだ。
男子一生のチャンスの前には綿毛のように軽い出来事ではないか。
彼女が何だ。 恋愛が何だ。 そんなものは、そんなものは三年後まで待たせておけ。
雄一は繰り返し自分に言い聞かせた。 (ナレーション:矢島正明)
試験官に名前を呼ばれても気付かず、佐藤に「おい!」と注意される始末。
「はい!」
第16話
耕作に「出入り禁止だ」と言われたハルだが「寂しくてしょうがない」と
様子を伺いに訪れる。
(丸い筒状の掃除機が時代を感じさせますね)
明子「そうそう、この間、電話で話したけどね」
健 「あー、お姉さんのこと?」
明子「お宅もそうなんだって?」
健 「えー、どうもね」
明子「うちのはね、はっきりそうなのよ。はっきりあなたのお兄さん愛しちゃってるの」
健 「言ってやったよ、だから」
明子「何て?」
健 「お姉さんが兄貴を愛してるってさ」
明子「そしたら?」
健 「余計なことだ、って。 勉強してろって」
明子「やだわ。それじゃうちのお姉さんが恥かいただけじゃない」
健 「ううん! 兄貴その後ずっと考え込んじゃってさ、ラブソング歌って夜中に散歩に行ったんだ」
明子「ははっ」
健 「つまり愛し合ってるのさ」
明子「良いと思う?」
健 「そりゃ良いさ、君のお姉さん絶対だもん」
明子「どうせあたしはねっ」
健 「すぐそんな事言うー。 問題はうちの兄貴さ」
明子「問題って?」
健 「仕事本位だろ? 好きだって抑えちゃうほうだからね」
明子「ずいぶんあなたと違うのね」
健 「そうだ、やなヤツなんだ」
明子「でもいいとこあるじゃない?ラブソング歌っちゃうなんて」
健 「なー、強がったって若いからね」
明子「じゃ、あなたは何? 赤ん坊?」
健 「どうしてさ?」
明子「目の前にこんないい女の子がいるのに、トウモロコシばかり食べないでよ!」
健 「すぐ怒るんだからな、君は」
明子「つまんなくてしょうがないわよ」
健 「悪いとは思ってるんだけどさ」
明子「何さ二枚目ぶって」
雄一「うちの親父はちっとも怒らない男なんです。それが怒鳴ったでしょ?
正直言って、僕もあの晩、もうあなたには会えないのか、なんて思いましたよ」
敬子「寂しかったわ」
雄一「僕もなんだか寂しかったな。
でも、考えてみれば僕とあなたがケンカしたわけじゃないし。
どうってことはなかったんだけど」
敬子「本当に寂しかった?(笑)」
雄一「何だかね・・・変な付き合いだなぁあなたとは」
などと雄一と敬子が話していると沢野(中谷一郎)が割り込んで来る。
沢野「厚かましい?はははは、そりゃ僕だってお二人が恋人同士なら
こんな野暮はしませんよ。でも、そうじゃないんでしょ?」
雄一「ええ、もちろん」
沢野「敬子さんもそう言ってましたよ。ねえ、敬子さん?」
敬子「(困惑)それはそうですけど」
沢野「気が変わった?」
敬子「・・・いえ、そういうわけでは」
沢野「でしょ? だから貴方(雄一)はライバルじゃない。
僕はこの人が好きなんですよ。だから他の男性の事が気になって仕方ないんだ。
しかしともあれ貴方については安心なわけだ」
耕作が戦争中は厳しい伍長だったと話す。
耕作「人間の信念なんて当てにならないもんさぁ。
敗戦からこっち、どうでも自分の思った事を押し通そうなんて気持ちが無くなってね。
子供に強い事を言っても言ってるうちに自信が無くなってね。
まあ、こんな親にしてはよく良い子に育ったもんだ。健もね」
敬子「だけどあの人は留学するのよ。独身が条件なのよ。
あたしをどんなに好きだって・・・単純に好きだとは言えないのよ」
明子「留学する間、待っててくれって言えばいいじゃない」
敬子「2年間よ?
行くとすれば四月か五月よ。 「好き」って言ったら2年間も離れちゃうのよ?
人間の感情なんて当てにならない。そういう時に迷うのが大人の恋愛ってものよ」
キク「本当に恋人じゃないんですね?」
耕作「よしんば恋人だとしても何が悪いんです?」
キク「息子さんに聞いてるんです。 本当なんですね? 恋人じゃないんですね?」
雄一「ええ。恋人じゃありません。友だちです。」
♪ラーラーリリー、ラララリー、ラーリーララー・・・♪
雄一は取り返しの付かない約束でもしたような気持ちであった。
友だち・・・。敬子は友だち・・・。恋人では無いのだ・・・。
私も子どもの頃、ふかしたサツマイモやジャガイモをおやつに食べました^^
by ゆりあ (2013-02-08 23:42)
昔はコンビニとか無かったし、スーパーも遠かったせいもあり
母がおやつを作ってくれましたっけ。
今ではお菓子も種類が多くて、選ぶのも大変ですね。
by k_iga (2013-02-09 00:15)
建物から昭和が感じられるけど、
一番感じられるのは、髪型ですね。^^
by がり (2013-02-11 15:34)
男性の髪型もどことなく現代とは違いますね。
同じ七三分けなのに。
by k_iga (2013-02-13 00:12)