精工舎 100式陸軍飛行時計 [100式陸軍飛行時計]
小学校五年の頃だったか、倉庫でゴソゴソ探し物をしていると真鍮製の箱が出てきた。
中には変わった形の時計(写真はひろいもの)と自動小銃?の弾。
ちょうど子供の手の平くらいの大きさで、6の下の竜頭を巻くとチッチッチッ・・・と動き出した。
竜頭をグイっと上に引っ張って回すと時刻を合わせる事ができた。
翌日、小学校から戻って倉庫の時計を見ると止まっている。
「壊れているのかな?(実は1日計だったのだが)」。
サンドペーパーとやすりで表面の汚れを落とし、ドライバーを使って分解を試みた。
「ん? な~にをしてるんだぁ?」と笑いながら通りかかった父の表情が一変した。
「これは特攻隊員からもらったものなんだぞ!」
これはゲンコツが飛んで来る、と観念したが見上げた父は静かに時計を見ていた。
そして「ちゃんと片付けとけよ」と言って私の頭をなでて部屋に戻って行った。
その後2回の引越しで時計は行方知らずだが、サンドペーパーと小型ナイフで
表面を削り、新品の十円玉のようになった自動小銃?の弾は今も私の「宝箱」にある。
現在ではまた古びた十円玉みたいな色になっちゃったけどね。 しかし何の弾だろう?
「精工舎 100式陸軍飛行時計」
軍用機、戦闘機等で空を飛ぶ時に使われた時計です。計器盤に組み込まれました。
機内では基本的にはフランジの4箇所の穴にネジ止めして計器盤に固定します。
機外ではパラシュートの紐を通して首からぶら下げていました。
http://www.kodokei.com/pw_024_1.html (TIMEKEEPER社)
前列3名と右端の1名のかたがかけていますね。
石原慎太郎が制作総指揮・脚本の映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」 (2007/日)でも。
いずれも鉄道時計19セイコーがベースとなっています。
一般の時計と違って服部時計店などで一般販売はされず直接、軍に納入されました。
皇紀2600年から規則により兵器の数字は、
海軍は零式(ゼロ戦など)、陸軍は百式(この100式陸軍飛行時計など)と命名。
P.S.
調べてみると陸軍は「飛行時計」、海軍は「航空時計」と呼称が違うんですね。
中には変わった形の時計(写真はひろいもの)と自動小銃?の弾。
ちょうど子供の手の平くらいの大きさで、6の下の竜頭を巻くとチッチッチッ・・・と動き出した。
竜頭をグイっと上に引っ張って回すと時刻を合わせる事ができた。
翌日、小学校から戻って倉庫の時計を見ると止まっている。
「壊れているのかな?(実は1日計だったのだが)」。
サンドペーパーとやすりで表面の汚れを落とし、ドライバーを使って分解を試みた。
「ん? な~にをしてるんだぁ?」と笑いながら通りかかった父の表情が一変した。
「これは特攻隊員からもらったものなんだぞ!」
これはゲンコツが飛んで来る、と観念したが見上げた父は静かに時計を見ていた。
そして「ちゃんと片付けとけよ」と言って私の頭をなでて部屋に戻って行った。
その後2回の引越しで時計は行方知らずだが、サンドペーパーと小型ナイフで
表面を削り、新品の十円玉のようになった自動小銃?の弾は今も私の「宝箱」にある。
現在ではまた古びた十円玉みたいな色になっちゃったけどね。 しかし何の弾だろう?
「精工舎 100式陸軍飛行時計」
軍用機、戦闘機等で空を飛ぶ時に使われた時計です。計器盤に組み込まれました。
機内では基本的にはフランジの4箇所の穴にネジ止めして計器盤に固定します。
機外ではパラシュートの紐を通して首からぶら下げていました。
http://www.kodokei.com/pw_024_1.html (TIMEKEEPER社)
前列3名と右端の1名のかたがかけていますね。
石原慎太郎が制作総指揮・脚本の映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」 (2007/日)でも。
いずれも鉄道時計19セイコーがベースとなっています。
一般の時計と違って服部時計店などで一般販売はされず直接、軍に納入されました。
型式 皇紀 西暦 和暦
93式 2593年 1933年 昭和 8年
100式 2600年 1940年 昭和15年
93式 2593年 1933年 昭和 8年
100式 2600年 1940年 昭和15年
皇紀2600年から規則により兵器の数字は、
海軍は零式(ゼロ戦など)、陸軍は百式(この100式陸軍飛行時計など)と命名。
P.S.
調べてみると陸軍は「飛行時計」、海軍は「航空時計」と呼称が違うんですね。
素晴らしい「宝物」・・・。
by tamanossimo (2011-11-22 16:55)
k_iga さんちって旧家なんですか。
お蔵を探すと、なんか色々お宝がありそう・・
なんて勝手に空想中。
by がり (2011-11-22 20:17)
いえいえ、普通の会社員ですよ。
小学生が工具(+ドライバーとかペンチ)を手にすると目についた
機械類は分解・組み立てしたくなる、という例ですね。
さすがに「悪い事したなぁ」と反省しました。
by k_iga (2011-11-22 21:39)
失ってしまったのが実に惜しいですね。
1日計という物を初めて知りました。
すみません、
無知な質問なのですが、
なぜ1日なのですか?
その都度時刻を合わせるのは大変な気がするのですが。
(一つ頭に浮かんだ理由は、
時差にもすぐ対応できるようにかな、という事なのですが)
by 青山実花 (2011-11-23 07:26)
お父様との思い出深い時計ですね♪
by nano (2011-11-23 07:43)
当時の機械式時計の正確さの限界もあったのでしょうが、
1日1回、首からパラシュートのヒモで吊るした時計を持ち寄り
「よーい、って!」の掛け声で各自の時計を合わせたそうです。
(「って!」で竜頭を押し込む)
特攻隊員には明日はありませんから1日計、という話も
今度、実家へ行ったら探してみます。
少年だった父に時計をくれた特攻隊員に悪いもの。
by k_iga (2011-11-23 07:55)
正式には「一日捲飛行時計」といって、日に1度、巻いたようです。
衝撃にはあまり強くなかったようで、戦争中期以降はみんな飛行機
から外して首から下げたようです。
明日をも知れぬ兵士たちの1日1度の儀式でもあったのでしょうね。
一般販売はされず直接、軍に納入され、敵の手に渡った場合を
想定し固有番号も無し。 資料も残っていません。
by k_iga (2011-11-23 08:32)
なんと、100式陸軍飛行時計、これは正に凄いお宝ですね。時代の生き証人のような、そんな威厳がありますね。スゴイです。w (^ω^)b
(^ー^)ノシ
by モッズパンツ (2011-11-25 00:56)
飛行時計のご紹介、参考になりました。
知人の紫電改の搭乗員も持っています。他の計器はともかくも、
時計は外したら使えるので、便利だったようです。
by NAVYBLUE (2011-11-27 11:27)
竜頭が大きくて側面ではなく前に出ているのはコックピットに
取り付けた時に飛行士の革手袋越しでも操作できるように
ということらしいですね。
特攻隊員から時計をもらった時に小学生だった父も他界しました。
こういった物もだんだん失われていくんでしょうね。
by k_iga (2011-11-27 12:47)