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巣立つ日まで [本]

1976(昭和51)年9月にNHK「少年ドラマシリーズ」枠で放映された
連続ドラマの原作。
(菅生浩:著  ポプラ社, 1974 日本児童文学者協会賞新人賞受賞)

昭和30年前後の福島県郡山市を舞台に、幼なじみの中学生3人と級友の
女子3人の青春というにはあまりに淡い思春期前期を描く。
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主人公の「おれ」こと靖は、父と早く死別し頑固な祖父母に抵抗したり、
高校へは学せずに上京しようかと考えたり思い煩う日々が続く。

転校して来た大人っぽい美人の京子には成績を抜かれたり
その甘い香りにドギマギしたり複雑な思いを抱く。

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靖は自作の詩をきっかけに京子に心惹かれるのだが。
(原作では怜子という名前です)

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「おれの荒みかけた心をなごませたのは、安積高校を受験した日の夕方から降り
 だした雪だった。それは、三月にしては珍しい大雪で、夜になると十センチほ
 ど積もった。入学試験の結果に自信を持ったおれは、赤提灯がともる家の前で
 雪かきをしながら、怜子にはじめてあった夜を思いだした。
 灰白色のオーバーを着て同色の帽子をかむり、赤い毛糸の手袋をした怜子が、
 スキップをしそこね、雪の路上に肩から落ちた姿を、やがて、おれは忘れて
 しまうのだろうか。耳の底に今も明確に残っている、ここのお店の方ですか、
 という甲高く美しい東京弁を、思いださなくなるときがくるのだろうか。
 鳥取りや魚取りの方法が一、二年間に大きくかわるように、読書の内容がしら
 ずしらずのうちにかわるように、怜子への思いも、いつかは変化してしまうの
 だろうか。」

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少年ドラマシリーズの方の脚本は名匠・石森史郎が原作のストーリーをなぞりつつ、もう1人の女子である幸子が心臓病の手術後に他界してしまうシーンをクライマックスにしている。
20100319072916.JPG

テーマ曲は、京子役の田中由美子が歌っている。


少年ドラマシリーズはSF作品以外に「ぼくがぼくであること」「夕ばえ作戦」
「野菊の墓」等をベータマックスで録画して観ていたが、自分用には2時間テー
プ4本しか持っていなかったのと(高価だった)、別の番組を繰り返し録画もし
ていたので多分、残ってはいないだろう。


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コメント 6

iruma_w

中学生の時、ドラマを見てました。
懐かしい曲です。
by iruma_w (2010-07-05 18:12) 

k_iga

原作もドラマも良いです。
by k_iga (2010-07-05 19:00) 

がり

ドラマも曲も知りませんが、
曲調が杉田かおるの「鳥のうた」っぽいかな。
素人が歌ってるような素朴な感じの曲が
昔は多かったですね。
こういう曲をきくと、自分の青春時代が浮かびます。


by がり (2010-07-05 20:38) 

すだつ

当時中一で見ていましたが、ドラマの内容は覚えていないのに
この歌は歌詞なしで今でも歌える。
最近は年のせいか昨日の事も忘れる事があるのに、
30年以上前の歌を何で覚えているのか不思議です。

by すだつ (2010-12-18 22:34) 

ma tsu

今でも当時の事を思い出す 良い歌です。何度も聴いています。
by ma tsu (2015-05-26 22:17) 

こつた

歌詞だけは 覚えてる
すごく印象的なドラマだったんだと思います
by こつた (2017-08-29 17:19) 

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